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小論文教育 No18 小論文テーマ「日本のジェンダ―ギャップ指数、どう読み取りますか(ver3)」

小論文教育 No18 小論文テーマ「日本のジェンダ―ギャップ指数、どう読み取りますか(ver3)」

 

 いよいよ、今年も終わりが近づいています。先日、2023年度の政府予算案も決定されました。皆さんはどう思われましたか。このブログは、若い方が読んでいると思いますが、皆さんの社会制度への理解が深まり、さらなる解決案が表明されることを期待しています。

 

 来年度予算は、コロナ以前(2019年度)よりも巨大な110兆円を超えます。そして、これを賄うのが日本国債です。また、日本国債長期金利の上限も0.50%に引き上げました。元利負担が増えます。金利負担が引きあがると、割引現在価値から考えると、割引率が高まりますので将来世代に借金が先送りされてしまいます。もちろん、税収源を大きくしないと、日本の借金(1000兆円を超えています)を返済して行けません。

 というわけで、現制度の問題点が、次々と明らかになってきていますね。

 

 さて、前回の問題の続きです。(資料4については、小論文教育 No17を参照してください)

 

 問二 資料4「日本のジェンダー指数 分野毎の項目別内訳」から読み取れることは何か、三点指摘せよ。

 

 問二の解答を、私が書いてみました。次のものです。

 

「政治」の分野の推移は、いずれの内訳の指数もほぼ変わらず、順位は低下している。内訳の男女比はいずれも低く、国会議員の数や女性の閣僚の数も少ないことがわかる。

「経済」の分野の推移は「専門職・技術職の男女比」以外の指数がいずれも改善されている。「勤労所得の男女比」「議員、幹部職・管理職の男女比」「専門職・技術職の男女比」の順位は顕著に低下している。中でも、「幹部職・管理職・専門職・技術職」の女性の雇用率が低いことが男女の所得格差をもたらしているとわかる。

「教育」の分野の推移は「高等教育在学率の男女比」の指数は改善しているが、順位は低下している。この項目について、日本以外の諸国の女性の進学率が日本以上に上がっていることがわかる。

 

 解答について説明します。指数、順位の読み取りは上昇、変化なし、下降(低下)で大きく捉えてください。次に、その指標から日本社会の特徴を指摘します。「女性の国会議員数や閣僚数」、「男女の所得格差」、「女性の進学率」については必ず指摘しなければなりません。

 ですから、ジェンダー指数に大きな差が見られない、「健康」の分野の推移については、指数・順位がほぼ変わらないように、三点の指摘から取り上げなくていいと思います(もちろん、男女の格差が見られない水準に到達し、それを維持して、世界の中から見ても超高齢社会になっているという「健康」の分野の特徴を説明するのが、誤りというわけではありません)。

 課題があるのは、「政治」「経済」「教育」の分野です。その課題を解決するにはどのような対策を考えますか。それが、問三の解答になります。

 

 問三 データの読み取りを踏まえ、日本のジェンダーギャップ指数の改善のために、今後どのような対策を取るべきだと考えるか、三百字以内で述べよ。

 

 解答をお待ちしています。読者の皆様、良いお年を。

 宛先はserajobin3@gmail.com

 

 

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