小論文教育 No.10 日銀の目標とする2%の金利について
小論文教育 No.10 : 日銀の目標とする2%の金利について
日本政府はインフレ目標として年利2%を掲げています。では、この2%の金利とはどのようなものか。皆さん、考えてみましょう。
いま手元に10万円があり、これを利子率2%の複利で運用した場合、この金額が2倍になるのに何年かかるか。その際にlog102=0.3010、log101.02=0.0086として解答しなさい。(2021年九州大学経済学部金融工、後期日程の一部改変より)
log10(1.02)^n= log102
nlog10(1.02)= log102
n・0.0086 = 0.3010
n=35
35年もかかるんですね。それも2%の複利で運用した場合です。実際の場面で考えると預金は難しく、生命保険などを考えると思います。
現在、養老保険や終身保険などで、2%運用できる商品はありません。その背景となっているのが、日本のゼロ金利です。どうなるんでしょうね。
もっと金利について、考えたい方は「はじめての金融教育No8日本の金利は、いつ、あがる?」をお読みください。「割引現在価値」から「金利」を考察しています。
ゼロ金利による利潤はどこへいったのでしょうか。企業の内部留保金になつています。
当然、危機的状況が回避できたのだから、従業員の給料や預金者の金利(ゼロ金利)の引き下げた分を償還してほしいとなります。
なぜなら、実質賃金はリーマンショック以降、横ばいです。人件費を上げずに、ゼロ金利の中で、企業は内部留保金を増やしました。
今回の資料は「次なる100年歴史の危機から学ぶこと」(水野和夫 東洋経済新報社p .500、p .515)です。資料が豊富なので、読み応えがありますよ。著者は、企業に対する法人税を引き上げることを提案していますが、どう思いますか。
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